このコラムでは脳神経内科専門医が体調や健康に関する情報をわかりやすくお伝えします。
今回お伝えするのは「頭痛の種類について」です。
頭痛の種類は2つ|一次性頭痛と二次性頭痛の違い、危険なサインを脳神経内科専門医が解説
|
この記事の要約
|
頭痛は大きく「2種類」に分けられる
多くの方が悩まされている頭痛は、大きく2つのタイプに分類できます。頭痛そのものが症状の中心となる「一次性頭痛」と、別の病気のサインとして現れる「二次性頭痛」です。
頭痛に正しく対処するための第一歩は、自分の頭痛がどちらのタイプなのかを知ることです。この違いを理解しておくだけで、漠然とした不安はぐっと小さくなり、受診すべきタイミングも判断しやすくなります。
一次性頭痛とは|頭痛そのものが「病気」
一次性頭痛とは、頭部CTやMRIなどの検査をしても脳に明らかな異常が見つからないのに、頭痛が繰り返し起こるタイプです。実は、私たちが日常で経験する頭痛の多くは、この一次性頭痛にあたります。代表的なものは次の3つです。
- 緊張型頭痛:頭全体がギューッと締め付けられるように、鈍く痛みます。肩や首のこりが原因です。
- 片頭痛:こめかみを中心にズキンズキンと脈打つように痛み、吐き気や、光・音への過敏を伴うことがあります。
- 群発頭痛:目の奥をえぐられるような激しい痛みが、一定の期間、毎日のように集中して起こります。
「検査で異常なし」は「気のせい」ではありません
ここで強調したいのは、「検査で異常がない」ことと「気のせい」は、まったく別だということです。一次性頭痛は、脳や神経の働き方、痛みを感じる仕組みに関わる、れっきとした病気です。「我慢が足りないだけ」「精神的なもの」と自分を責める必要は、まったくありません。
二次性頭痛とは|別の病気のサインとして現れる頭痛
一方の二次性頭痛は、頭痛の裏側に何らかの病気が隠れているタイプです。頭痛全体に占める割合は少数ですが、なかには命に関わる病気が含まれるため、決して見逃してはいけません。
代表的な原因には、くも膜下出血・脳出血・脳腫瘍・髄膜炎といった脳の病気のほか、副鼻腔炎や鎮痛薬の使いすぎ(薬剤の使用過多による頭痛)などがあります。前回ご紹介した頭部CT・MRI検査は、まさにこの二次性頭痛を見つけ出すために行われるのです。
危険な頭痛を見分ける3つのサイン
では、どのような頭痛のときに急いで受診すべきなのでしょうか。キーワードは「いつもと違う」です。次の3つのいずれかに当てはまる場合は、ためらわずに医療機関を受診してください。
- 突然の頭痛:強い頭痛が、何の前触れもなく突然始まった
- 経験したことのない頭痛:これまでに感じたことのない強さ・痛み方・頻度の頭痛
- 頭痛以外の症状を伴う:発熱、手足のしびれ、ろれつが回らない、物が見えにくいなど
「急な変化」と「いつもと違う症状」に注意する、と覚えておいてください。
日本人にもっとも多いのは「緊張型頭痛」
数ある頭痛のなかで、もっとも患者さんが多いのが緊張型頭痛です。日本では成人の約2割が経験するとされ、まさに「国民的な頭痛」といえます。デスクワークやスマートフォンの長時間使用が当たり前になった現代では、悩む方はさらに増えています。
身近すぎるがゆえに軽く見られがちですが、放置すれば仕事や家事の効率を落とし、生活の質を確実に下げてしまう頭痛でもあります。
これから複数回にわけて、緊張型頭痛について原因から対処法・予防法までを丁寧に解説していきます。
繰り返す頭痛や気になる頭痛がある方は、お気軽に当院へご相談ください。
よくある質問(Q&A)
|
Q. 一次性頭痛は「気のせい」ということですか? A. いいえ、違います。検査で異常が見つからなくても、脳や神経の働き方に関わる本物の頭痛です。「我慢が足りない」「精神的なもの」と思い込む必要はまったくありません。 A. あります。長年の頭痛があっても、それとは別の病気が新たに加わることがあります。「いつもの頭痛と様子が違う」と感じたら、その変化を見過ごさないでください。 Q. 自分でどちらのタイプか見分けられますか? A. ある程度の目安はつきますが、確実な判断は難しいものです。とくに二次性頭痛の除外には診察や検査が必要です。気になる場合は、脳神経内科や頭痛外来でご相談ください。 |