このコラムでは脳神経内科専門医が体調や健康に関する情報をわかりやすくお伝えします。
今回お伝えするのは「緊張型頭痛の治療の必要性について」です。
緊張型頭痛の治療|医療機関でできること
|
「頭痛くらいで治療なんて」——そう思っていませんか。しかし、セルフケアだけでは追いつかないつらい頭痛には、しっかりとした治療法が必要です。 |
急性期の治療 — つらい痛みを抑える
今まさに痛むときには、痛みを抑える治療を行います。市販薬で対応している方も多いですが、医療機関では、その方の頭痛のタイプや状態に合った薬を選ぶことができます。
大切なことは薬の使い方です。鎮痛薬は正しく使えば心強い味方ですが、月に10日以上の頻繁な使用が続くと、かえって頭痛を招く「薬の使いすぎによる頭痛(薬物乱用頭痛)」につながることがあります。
医師と相談しながら適切な量と回数で使うことが、頭痛の悪循環を防ぐ鍵です。
予防療法 — 頭痛が起きにくいように
頭痛を繰り返している方は、痛みが起きてから鎮痛薬で抑えるだけでなく、頭痛が起こりにくい状態をつくる「予防療法」が役立ちます。
予防には、頭痛が起きにくくするための薬などが、医師の管理のもとで用いられます。「鎮痛薬しかない」と思っていた方にとって、新しい選択肢になります。こうした薬は状態を見ながら慎重に調整していきます。
受診の流れ
初めての受診で緊張してしまうかもしれませんが、身構える必要はありません。診療はまず、問診から始まります。「いつから」「どんなときに」「どんな痛み方をするのか」——こうしたお話をうかがうことで、頭痛のタイプがかなり見えてきます。続いて神経診察を行い、必要に応じてCTやMRIなどの検査で、危険な病気が隠れていないかを確認します。
そのうえで、あなたに合った治療を一緒に組み立てていきます。
受診時に役立つ「頭痛の記録」
受診の際に簡単な頭痛の記録があると、診断がスムーズです。難しく考えず、次のようなことをメモしておくだけで十分です。
|
メモしておくと役立つこと ・頭痛があった日と、痛んだ時間帯 ・痛みの強さや、痛み方の特徴 ・薬を飲んだ日と、その効き具合 ・頭痛のきっかけになったと思う出来事 |
頭痛の「我慢」から卒業を
緊張型頭痛は、正しく理解し、生活を工夫し、治療を受けることで、十分に改善することが見込まれる頭痛です。「この程度で受診していいのか」と迷う方こそ、一度ご相談ください。
頭痛の原因がはっきりすれと不安は減り、適切な対処で生活の質は大きく変わります。
よくあるご質問(Q&A)
A. 市販薬で落ち着いて、繰り返すことがなければ問題ないことが多いです。ただし、鎮痛薬でよくなっても、またしばらくすると痛む、効きが悪くなってきた、頭痛の回数が増えているといった場合は、受診をおすすめします。
Q. 予防のお薬は、ずっと飲み続けるのですか?
A. いいえ。予防療法は、頭痛が落ち着いてきたら医師の判断で減らしたり中止したりできます。効果や体調を見ながら調整するもので、自己判断での増減は避け、必ず相談しながら進めます。
Q. 頭痛は、何科を受診すればよいですか?
A. 頭痛の専門は脳神経内科です。問診と神経診察、必要に応じた画像検査で危険な病気がないかを確認したうえで、あなたに合った治療をご提案します。