薬物乱用頭痛の治療について|一宮市の脳神経内科|あたまと内科のうえだクリニック

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薬物乱用頭痛の治療について

このコラムでは脳神経内科専門医が体調や健康に関する情報をわかりやすくお伝えします。 今回お伝えするのは「薬物乱用頭痛の治療について」です。

前回は薬物乱用頭痛の概要について紹介しました。今回はその治療について解説していきます。


脳神経内科専門医による薬物乱用頭痛の治療

「原因が薬なら、やめればいい」——その判断が、かえって頭痛を長引かせることがあります。

 

なぜ自分でやめると失敗しやすいのか

「薬の飲みすぎが頭痛を悪化させている」と知った方の多くが、まず「じゃあ薬をやめてみよう」と考えます。しかし、なかなかうまくいかないことが多いです。


長期間にわたって鎮痛薬を使い続けてきた脳は、すでに「薬がある状態」に慣れてしまっています。そこで急に薬をやめると、激しい反跳性頭痛、吐き気、不眠、強いイライラ感といった離脱症状が、数日から2週間ほど続くことがあります。


このつらい時期に耐えきれず、結局また薬に手を伸ばしてしまう——これが、自己判断による中断が失敗に終わる最大の理由です。意思の弱さの問題ではなく、脳の生理的な反応として起きていることを、まず知っておいてください。

 

治療せずに放置すると、どうなるのか

「我慢していればそのうち落ち着くだろう」と思いがちですが、薬物乱用頭痛は時間とともに進行していきます。

 

頭痛が「毎日のもの」になる

月に数回だった頭痛が、気がつくと週の半分以上、さらには毎日へと増えていきます。慢性化が進むほど、回復にも時間がかかります。

 

生活全体に影響がでる

集中力の低下、気力の消失、人付き合いを避けるようになるといったように、頭痛は、仕事・家族関係・趣味など生活のあらゆるものに影響していきます。

 

専門医による治療でできること

脳神経内科では、薬物乱用頭痛に対して専門的な治療を行います。早く治療を始めるほど回復も早く、生活への影響も小さく抑えられます。

 

1:原因薬を中止する

薬物乱用頭痛の原因となっている鎮痛剤を中止していくことが必要です。すぐに中止することができればよいのですが、反跳性頭痛に耐えることができなかったり、鎮痛剤をやめることに抵抗感が強く現実的には徐々に減らしていく方法を取らざるを得ないことも多いです。

2:もとの頭痛への根本治療

片頭痛、緊張型頭痛など頭痛そのものに対する治療を行います。適切な予防薬の選択、生活習慣の見直し、頭痛日記によるトリガー(誘因)の特定など、その方に合った治療プランを組み立てていきます。近年は 片頭痛に対してCGRP関連抗体薬という新しい予防薬も登場しており、治療の選択肢が広がりました。

 

原因となる鎮痛剤は可能な限り中止し、他の鎮痛剤を適切に使用すること、予防薬も使用することで薬物乱用頭痛を改善し、もとの原因となっている頭痛に関しても治療を行っていきます。

 

「いまの頭痛が当たり前」と思わないでください

毎日のように頭痛と付き合っていると、不思議なことに「これが普通」と感じるようになります。しかしそれは、つらさに慣れてしまっているだけで、決して正常な状態ではありません。


治療を受けた多くの患者さんが口を揃えるのが、「もっと早く来ればよかった」という言葉です。頭痛のない日が増えると、仕事への集中力が戻り、家族との時間を心から楽しめるようになり、毎朝「今日は大丈夫かな」と不安に思わなくて済む生活が戻ってきます。

 

ひとりで抱え込まず、脳神経内科専門医に相談してみてください。頭痛の不安のない生活を取り戻していくお手伝いをしたいと思います。