脳梗塞の治療とリハビリテーションについて|一宮市の脳神経内科|あたまと内科のうえだクリニック

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脳梗塞の治療とリハビリテーションについて

このコラムでは脳神経内科専門医が体調や健康に関する情報をわかりやすくお伝えします。
今回お伝えするのは「脳梗塞の治療とリハビリテーションについて」です。

脳梗塞の超急性期治療(t-PA静注療法・血栓回収療法)、急性期治療(抗血栓療法)から回復期リハビリテーション、慢性期の再発予防治療の流れを脳神経内科専門医が解説します。

 

脳梗塞の治療とリハビリテーションの流れ

脳梗塞は予防することがとても大切です。しかし、予防に努めても、発症の可能性をゼロにすることはできません。

今回は、脳梗塞を発症した場合の治療とリハビリテーション、そして退院後の再発予防治療について、要点を絞って解説します。

 

この記事の要約

脳梗塞を発症したら、治療は時間との勝負です。急性期の治療、回復期のリハビリテーションを経て自宅に戻ったあとも、再発を防ぐための治療が長く続きます。発症から回復までの流れを知っておくことが、いざというときの備えになります。

・脳梗塞は早く治療を始められるほど治療の選択肢が広がります。急性期病院(総合病院)ではおよそ2週間程度、入院して治療を行います。

・リハビリテーションは理学療法・作業療法・言語聴覚療法を組み合わせ、発症後おおむね3〜6か月に大きな回復が期待できます。

・脳梗塞は再発しやすい病気のため、かかりつけ医での長期的な再発予防が重要です。

 

発症したら|周囲の人がすべき3つのこと

脳梗塞は、本人より周囲の人が先に異変に気づくことが少なくありません。「FAST」(顔のゆがみ・腕の脱力・言葉の異常・時間の確認)のいずれかに気づいたら、迷わず119番に電話し、次の3点を心がけてください。

  • 発症時刻を確認・記録する…治療方針を決める最も大切な情報です。わからなければ「最後に普段どおりだった時刻」を伝えます
  • 自家用車ではなく救急車を呼ぶ…救急隊が、脳卒中の専門治療ができる病院を選んで搬送します
  • 水や薬を飲ませず安静にする…飲み込む力が落ちていることがあり、誤嚥の危険があります


超急性期治療|詰まった血管を再開通させる

病院ではCTやMRIなどで脳梗塞と診断されると、直ちに治療が始まります。代表的な治療は次の2つです。

■ t-PA静注療法(血栓溶解療法)

発症から4.5時間以内であれば、血栓を溶かす薬を点滴して、詰まった血管が再開通するようにします。

■ 血栓回収療法

脳の太い血管が詰まっている場合、原則として発症6時間以内であれば、カテーテルで血栓を直接取り除く治療が選択肢になります。t-PA静注療法に続けて行うことがあります。
発症から6時間を経過していても、24時間以内であれば条件付きで血栓回収療法を行うこともあります。


どちらも時間との勝負で、発症からどのくらい時間がたっているかによって、治療の選択肢は変わってきます。FASTのサインに気づいたら、できるだけ早く病院を受診することが重要です。


急性期治療

入院後は、抗血栓療法の点滴や内服、血圧・血糖・脂質の管理、脳梗塞の原因の精査が行われます。


状態が安定したら、回復期リハビリテーション病院へ転院することが一般的です。自宅生活に支障がない場合は、直接自宅に退院できることもあります。


脳梗塞で残りやすい主な後遺症

後遺症は、脳のどの部分がどれだけ傷ついたかによって異なります。代表的なものは次のとおりです。

  • 麻痺・感覚障害…片側の手足が動かしにくい、しびれや痛みが残る
  • 言語障害…ろれつが回らない(構音障害)、言葉が出ない・理解できない(失語症)
  • 嚥下障害…飲み込みにくく、むせやすい。
  • 高次脳機能障害…記憶力や注意力の低下、片側の空間に注意が向かないなど

 

回復期リハビリテーション|生活を取り戻すために

失われた機能の回復には、リハビリテーションが欠かせません。発症直後から始まる急性期リハビリテーションに続き、回復期リハビリテーション病院で訓練を行います。

入院できる期間は、脳梗塞の場合は原則150日まで(重い高次脳機能障害などを伴う場合は180日まで)です。

  • 理学療法…立つ・歩くなどの基本動作の訓練
  • 作業療法…着替えや食事など、生活動作の訓練
  • 言語聴覚療法…失語・構音障害や、飲み込み(嚥下)の訓練


目標は体を動かせるようになることだけでなく、自宅や社会に戻ることです。回復には個人差がありますが、発症後おおむね3〜6か月に大きな改善がみられ、リハビリテーションにとって非常に重要な時期です。

退院はゴールではなく「スタート」

自宅に戻ると、多くの方が「ようやく一区切りついた」とほっとされます。しかし、脳梗塞は再発しやすい病気であり、10年間でおよそ半数が再発したという国内の報告もあります。

再発すると、後遺症は初回より重くなりがちです。退院後はケアの中心が地域のクリニックへ引き継がれ、血圧・血糖・コレステロールの管理、再発予防薬の継続、生活習慣の見直しを、かかりつけ医と続けていくことになります。

 

退院後の再発予防は、当院にご相談ください

当院では、脳神経内科専門医が、脳梗塞で入院・リハビリテーションを終えて退院された方の再発予防を継続して担当しています。「退院後の通院先を探している」「薬や血圧の管理を相談したい」という方は、お気軽にご相談ください。


よくある質問(Q&A)

Q. リハビリテーションはいつまで続ければよいですか?
A.
回復期リハビリテーション病院での入院は原則150日までですが、退院後も回復は続きます。外来リハビリテーションやご自宅での自主トレーニングを組み合わせて続けることをおすすめします。

Q. 退院後は、どこの医療機関に通えばよいですか?
A.
多くの場合、日常的な体調の管理は地域のかかりつけ医へ引き継がれます。再発予防薬の処方や調整、血圧・血糖・コレステロールの管理は、通いやすいクリニックで続けること重要です。


Q. 再発予防の薬は、いつまで飲み続ける必要がありますか?
A.
抗血小板薬(血小板の働きを抑える薬)や抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)は、原則として長く飲み続ける薬です。自己判断でやめると再発のリスクが高まります。