脳出血の予防について|一宮市の脳神経内科|あたまと内科のうえだクリニック

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脳出血の予防について

このコラムでは脳神経内科専門医が体調や健康に関する情報をわかりやすくお伝えします。
今回お伝えするのは「脳出血の予防について」です。

脳出血の予防法とは?血圧管理を中心に脳神経内科専門医が解説

脳出血の予防法を脳神経内科専門医が解説します。最大の鍵となる血圧管理(最新ガイドラインの目標値、家庭血圧の測り方、降圧薬の続け方)から、減塩・節酒・禁煙・運動習慣の重要性、血をサラサラにする薬との付き合い方まで、身近にできる対策を紹介します。

 

この記事の要約

脳出血の最大の原因は高血圧です。脳出血を予防するためには、血圧を適切に管理することが重要です。治療は家庭血圧の記録と降圧薬の継続を軸に、減塩・節酒・禁煙・運動習慣を組み合わせ、かかりつけ医と長く続けることが予防の鍵です。

・最大の鍵は血圧管理です。家庭血圧125/75mmHg未満を目安に、降圧薬を正しく続けることが必要です。

・減塩(1日6g未満)、適度な運動、体重管理で、血圧を安定させることが重要です。

・血をサラサラにする薬は自己判断でやめず、効果と出血リスクを主治医と定期的に見直すことが大切です。

 

脳出血予防の最大の鍵は「血圧管理」

脳出血の最大の原因は、長年の高血圧で動脈硬化が進行し、脳の細い血管がもろくなることです。血圧を下げる治療をすることで脳出血を大きく減らせることは確立された事実で、脳出血予防において血圧管理がもっとも重要になってきます。

■ 家庭血圧で「本当の血圧」を知る

血圧は一日の中でも日によっても変動するため、診察室の測定だけでは本当の姿が見えません。自宅で毎日測る「家庭血圧」で、次のような状態がわかります。

  • 白衣高血圧…診察室では高いが、家では正常
  • 仮面高血圧…診察室では正常だが、家では高い。高血圧を見逃すとリスクが見過ごされる
  • 早朝高血圧…朝の血圧が特に高い。脳卒中は朝に多く起こる


測定は、朝(起床後1時間以内、トイレの後、朝食や薬の前)と寝る前の1日2回が基本です。上腕に巻くタイプの血圧計を使い、椅子に座って1〜2分安静にしてから測りましょう。

2025年に改訂された日本高血圧学会のガイドラインでは、年齢にかかわらず家庭血圧125/75mmHg未満(診察室血圧130/80mmHg未満)が目標とされていますが、個々の状況に応じて調整します。

■ 降圧薬を正しく続ける

「症状がないからやめた」「忙しくて飲み忘れる」という方は少なくありません。しかし高血圧は、症状がないまま血管をじわじわ傷つけていく病気です。家庭血圧の記録をもとに、薬の種類や量、飲むタイミングをその方の血圧の動きに合わせて調整していくことが、脳出血予防に直結します。


生活習慣の見直し|減塩・節酒・禁煙・運動習慣
■ 減塩|1日6g未満を目標に

塩分のとりすぎは血圧を上げる大きな原因で、日本人に脳出血が多い背景の一つとされています。もともと日本人は塩分の摂取量が多かったです。

急に減らすと物足りなくなるため、次のような工夫から始めましょう。

  • だし・酢・レモン・香辛料・薬味で風味をつける
  • 麺類のつゆは残す
  • 漬物・梅干し・干物などの加工食品を控える
  • しょうゆやソースは「かける」より「つける」


■ 節酒|飲む量に比例してリスクが上がる

過度の飲酒は脳出血のリスクを高めてしまいます。飲酒量を減らす、休肝日をつくるといった工夫から始めましょう。

■ 禁煙

喫煙は脳出血だけでなく、脳梗塞や心筋梗塞、がんのリスクも高めます。すぐにでも禁煙に取り組みましょう。

■ 運動習慣

週2-3日、30分程度からウォーキングを始めるなど有酸素運動を取り入れてみましょう。歩行に制限のある方は自宅でストレッチを行うことも有効です。運動習慣は体重管理にも有効です。

 

血をサラサラにする薬を飲んでいる方へ

心臓病や脳梗塞の予防で抗血栓薬を飲んでいる方は、脳出血が起きると止まりにくく、重症化しやすい傾向があります。しかし、必要があって飲んでいる薬なので、自己判断でやめてはいけません。そのうえで、「薬が今も必要か」「血圧管理は十分か」「胃腸からの出血など気になる症状はないか」を、定期的に主治医と見直していくことが大切です。特に抗血栓薬を飲んでいる方は、血圧をしっかり下げることが必要です。


クリニックで予防管理を続けるメリット

脳出血の予防は、一度何かをすれば終わりではなく、日々の管理を長く続けるものです。それを支えるのが地域のかかりつけクリニックです。

  • 一人ひとりに合わせた血圧目標と薬の調整ができる
  • 通院の負担が少なく、長く続けやすい
  • 同じ医師が継続して診ることで、「いつもと違う」に早く気がつくことができる
  • お酒・たばこ・食事・睡眠など、生活全体をふまえて相談できる

 

脳出血は、発症すると重い後遺症や命に関わることもある一方、日々の血圧管理と生活習慣の見直しで予防につなげることができる病気です。「健診で血圧が高いと言われた」「家族に脳出血の人がいて気になる」という方は、お気軽に当院へご相談ください。脳神経内科専門医が、お一人お一人の血圧と生活に向き合い、予防のお手伝いをいたします。


よくある質問(Q&A)

Q. 家庭血圧は、朝と夜のどちらを重視すればよいですか?
A. どちらも大切ですが、朝の血圧は特に重要な情報です。朝は起床後1時間以内・トイレの後・朝食や薬の前、夜は寝る前に測り、毎日記録しましょう。1日2回血圧を測ることがむつかしい場合は、まず朝の血圧を測定する習慣を身に着けてください。

 

Q. 血圧を下げすぎるのが心配です。大丈夫ですか?
A. 目標の範囲に下げること自体は、脳出血の予防に有効です。ただし、立ちくらみやふらつきが続く場合は下がりすぎのこともあるため、家庭血圧の記録を持って早めにご相談ください。自己判断で薬を減らしたりやめたりせず、医師と一緒に調整しましょう。


Q. 塩分1日6g未満は難しそうです。何から始めればよいですか?
A. 一度にすべてを変える必要はありません。効果が大きく取り組みやすいのは、「麺類のつゆを残す」「しょうゆやソースは小皿でつける」「漬物や干物などの加工食品を控えめにする」の3つです。薄味にも少しずつ慣れていきます。