脳出血について|一宮市の脳神経内科|あたまと内科のうえだクリニック

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脳出血について

このコラムでは脳神経内科専門医が体調や健康に関する情報をわかりやすくお伝えします。
今回お伝えするのは「脳出血について」です。

脳出血の症状と原因を脳神経内科専門医が解説します。突然の頭痛・片麻痺・嘔吐・意識障害など初期症状の特徴、脳梗塞との違いと見分け方、前兆の有無、合言葉「FAST」、救急車を呼ぶべき判断基準まで、命を守るための知識を紹介します。

 

脳出血とは?初期症状・脳梗塞との違い・早期受診の重要性を脳神経内科専門医が解説

今回は、脳出血がどのような病気で、どんな症状が現れ、いざというときにどう行動すべきかを解説します。


この記事の要約

脳出血は、脳の中の血管が破れて出血する病気で、命に関わったり重い後遺症を残したりすることがあります。症状は突然現れ、数分〜数十分で進むことが特徴です。
一方で、最大の原因は高血圧であり、日頃の血圧管理で脳出血の発症を予防することが重要です。

・脳出血は脳の中の血管が破れて血腫を作る病気であり、最大の原因は高血圧です。

・症状は突然の頭痛・片麻痺・言語障害・嘔吐・意識障害などが代表的です。脳梗塞より頭痛・嘔吐・意識障害が出やすいです。

・症状が軽くても「様子を見る」は危険。FASTに1つでも当てはまれば、すぐ119番をしてください。

 

脳出血とは?脳の中にできた「血腫」が脳を圧迫する病気

脳出血は、脳の中の血管が破れて出血し、脳組織の中に血腫(けっしゅ)と呼ばれる血のかたまりを作る病気です。血腫はまわりの脳を圧迫して傷つけ、大きくなると命に関わることもあります。


脳卒中には3つのタイプがあり、混同しやすいので整理しておきましょう。

  • 脳梗塞…脳の血管が詰まり、その先に血液が届かなくなる
  • 脳出血…脳の中の細い血管が破れ、脳組織の中に出血する
  • くも膜下出血…主に脳動脈瘤が破れ、脳の表面に出血が広がる


脳出血の主な原因

脳出血にはさまざまな原因があります。

  • 生活習慣病…高血圧、糖尿病、脂質異常症は脳出血のリスクを高くします。しっかりと治療をすることが脳出血の予防につながります。特に高血圧は脳出血の最大の原因です。
  • 喫煙…禁煙も脳出血のリスクを高くします。禁煙することが大切です。
  • 大量の飲酒…アルコールの摂取量は個人差が大きいですが、脳出血のリスクになります。過度な飲酒を控えることが必要です。

 

脳出血の初期症状|「突然」始まり、急速に進む

症状は出血した場所と量によって異なりますが、多くは「突然」始まり、数分〜数十分で悪化していきます。

■ 突然の頭痛

血腫による圧迫などから、頭痛を伴うことがあります。ただし出血の場所や量によっては頭痛が目立たないこともあり、頭痛がないからといって脳出血を否定することはできません。


■
片側の手足の麻痺・しびれ

最も典型的な症状です。「右の手足に力が入らない」「左半身の感覚が鈍い」など、突然、体の片側に症状が現れます。


■
ろれつが回らない・言葉が出ない

しゃべりにくくなる構音障害や、言葉が出ない・相手の話が理解できない失語症が現れることがあります。


■
吐き気・嘔吐

血腫ができることで頭の中の圧が急に上がることで起こります。小脳や脳幹の出血では、激しい嘔吐が目立つことがあります。


■
めまい・ふらつき

小脳や脳幹の出血では、強いめまいや、まっすぐ歩けない・立っていられないといった症状が特徴的です。「ただのめまい」と見過ごさないよう注意が必要です。


■
意識障害

出血が多い場合や脳幹付近の出血では、呼びかけに反応しない、目を開けないなどの状態になります。命に直結する危険なサインです。


脳出血と脳梗塞の違い

どちらも片側の麻痺やろれつ障害など似た症状が出ることあり、その場で区別することは困難な場合が多いです。正確な診断はCTやMRIなどの検査で行います。

一般的な傾向としては次のような違いがあります。

  • 脳出血…頭痛・嘔吐・意識障害を伴いやすく、力んだとき、興奮したとき、寒い場所など活動中に起こりやすい
  • 脳梗塞…頭痛は比較的少なく、睡眠中や安静時に起こることも多い


ただし個人差が大きく、あくまで傾向にすぎません。

 

脳卒中を疑う合言葉「FAST」

  • F(Face:顔)…顔の片側がゆがんでいないか
  • A(Arm:腕)…両腕を前に上げると、片方が下がらないか
  • S(Speech:言葉)…ろれつが回らない、言葉が出ないことはないか
  • T(Time:時間)…1つでも当てはまればすぐ119番。

 

脳出血でもFASTは有効です。さらに「突然の激しい頭痛」「嘔吐を伴う」「意識の低下」「強いめまいで歩けない」といった症状が加われば、脳卒中を強く疑う状況です。


症状が軽くても「様子を見ない」

脳出血でも、「少し話しにくい」「少し力が入りにくい」「少ししびれる」程度の軽い症状で始まることがあります。つい様子を見たくなりますが、血腫は発症後の数時間で大きくなることがあります。

症状が軽いからといって脳出血を否定することはできません。脳出血であればはやく治療を始めることが必要です。
気になる症状があればすぐに病院を受診、または救急車を呼ぶようにしてください。

 

脳出血の予防は、当院にご相談ください

脳出血の最大の原因である高血圧は、自覚症状がほとんどありません。当院では、脳神経内科専門医が、高血圧などの生活習慣病の治療から脳出血の再発予防まで、継続して診療しています。健康診断で血圧が高めと言われた方は、お気軽にご相談ください。


よくある質問(Q&A)

Q. 脳出血と脳梗塞は、どちらが危険ですか?
A.
どちらも命と後遺症に関わる危険な病気で、優劣はつけられません。脳出血は発症時に重症化しやすく、脳梗塞も詰まる血管によっては広い範囲の脳が傷つきます。脳出血、脳梗塞のどちらであったとしても治療を早くはじめることが重要です。


Q. 脳出血に前兆はありますか?
A.
多くは前兆なく突然発症します。脳梗塞のように一時的な症状が前触れとして現れることは少ないため、日頃から血圧を管理して発症そのものを防ぐことが大切です。


Q. 軽い頭痛やしびれでも、脳出血の可能性はありますか?
A.
あります。突然始まったしびれ・脱力・ろれつの異常・見え方の異常は、軽くても脳卒中のサインの可能性があるため、様子を見ずに受診してください。ふだんから頭痛がある方でも、いつもの頭痛と痛み方がことなる場合は早めに受診してください。