今回お伝えするのは「脳梗塞の再発予防と生活習慣について」です。
脳梗塞の再発予防と生活習慣
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脳梗塞の再発予防のための生活習慣を脳神経内科専門医が解説します。家庭血圧の目標と測り方、減塩の工夫、運動の目安、夏の脱水・冬のヒートショック対策、睡眠時無呼吸症候群、運転再開の注意まで、退院後の日常生活でできる再発予防のポイントを紹介します。 |
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この記事の要約 脳梗塞の再発予防には、再発のリスクを減らすための薬と生活習慣の改善が重要です。日々の小さな積み重ねを、かかりつけ医と一緒に長く続けることが何よりの予防になります。 ・家庭血圧の測定と記録、血糖・脂質の検査と改善のため、生活習慣の改善が出発点です。 ・減塩(1日6g未満)・運動習慣・禁煙に加え、夏の脱水と冬の寒暖差にも注意が必要です。 ・症状がすぐ治まったとしても、再発の可能性があればすぐ受診をしてください。 |
再発予防は「薬」と「生活習慣の改善」で行う
どれほど良い薬を飲んでいても、生活習慣が乱れていれば効果は十分に発揮されません。逆に生活管理がしっかりできていれば、薬の効果はより確かなものになります。
脳梗塞の再発予防は「薬」と「生活習慣の改善」の両輪で進めることが重要です。
再発予防のための数値管理
- 家庭血圧…朝(起床後1時間以内、トイレの後、朝食や薬の前)と寝る前の1日2回測定します。血圧の目標は年齢にかかわらず125/75mmHg未満とすることが基本ですが、患者さんの状態に合わせて目標値を調整します。
- 血糖…糖尿病のある方は、血糖値、HbA1cを定期的にクリニックでチェックします。
- 脂質…脂質異常のある方は、コレステロール、中性脂肪を定期的にクリニックでチェックします。
食事|減塩は「ちょっとの工夫」で続ける
日本人の塩分摂取量は世界的に見ても多く、高血圧と脳卒中の大きな原因になっています。
目標は1日6g未満です。塩分を減らすと食事が味気なく感じてしまいやすいですが、次のような工夫で、物足りなさを感じにくくなります。
- だし・酢・レモン・香辛料・薬味で風味をつける
- 麺類のつゆは残す
- 漬物・梅干し・干物・加工食品を控える
- しょうゆやソースは「かける」より「つける」
野菜・果物・魚を中心に、バランスのよい食事を心がけましょう。
運動|無理なく続けることが原則
まずは無理のない範囲からはじめていくとよいと思います。息が少しはずむ程度のウォーキングを1日30分、週2日からというイメージです。ただし、運動量は麻痺や体力に応じた調整が必要です。「歩きにくい」「すぐ疲れる」という方は、できる範囲から始めましょう。
禁煙|何歳からでも遅くない
喫煙は脳梗塞のリスクを約2倍に高め、再発リスクも高めます。禁煙すればリスクは時間とともに下がっていき、禁煙を始めることに遅すぎるということは決してありません。
季節ごとの注意点|夏の脱水と冬の寒暖差
■ 夏:脱水に注意
汗をかくと脱水により血液が濃くなり、血栓ができやすくなります。喉が渇く前に、こまめに水分をとりましょう。
利尿薬を飲んでいる方は特に注意が必要です。
■ 冬:寒暖差とヒートショックに注意
暖かい部屋から寒い廊下やトイレ、脱衣所に移ると血圧が急上昇します。脱衣所や浴室を暖める、入浴前後に水分をとる、起床直後に急に動かないといった工夫が大切です。
入浴は、湯温41℃以下・つかるのは10分以内を目安にし、食後すぐや飲酒後の入浴は避けましょう。
睡眠とストレス|睡眠時無呼吸症候群にも注意
睡眠不足や強いストレスは血圧を上げてしまいす。また、睡眠時無呼吸症候群は脳梗塞の危険因子であることがわかっており、大きないびきや日中の強い眠気がある方は検査をおすすめします。
再発のサインを見逃さない
どれほど予防に努めても、再発の可能性をゼロにすることはできません。再発のサインであるFAST(顔のゆがみ・腕の脱力・言葉の異常)を、ご本人とご家族で繰り返し確認しておきましょう。
症状が短時間で治まった場合も、すぐに受診するようにしてください。
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再発予防は当院にご相談ください 脳梗塞は、発症前の予防から急性期、回復期、そして退院後の長い慢性期とその時期に応じた治療が必要な病気です。急性期の治療は基幹病院、リハビリテーションは専門病院が担いますが、その前後の発症前の予防と退院後の再発予防を地域で支え続けるのが、脳神経内科専門医がいるクリニックの役割です。
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よくある質問(Q&A)
Q. 再発予防のための生活習慣で、一番大切なことは何ですか?
A. 最も重要なことは血圧の管理です。家庭血圧を毎日測って記録することが生活管理の土台になり、そのうえで減塩・禁煙・節酒・適度な運動を組み合わせます。一度にすべてを変える必要はなく、続けられることから一つずつ始めることが成功のコツです。
Q. 脳梗塞のあと、車の運転を再開してもよいですか?
A. 麻痺や視野の異常、注意力の低下などが残っていると、事故につながる危険があります。後遺症によっては免許の更新時などに申告が必要になることもあるため、運転を再開する前に必ず主治医に相談し、必要に応じて運転免許センターの安全運転相談窓口も利用してください。
Q. 家族が脳梗塞を経験しました。家族として何に気をつければよいですか?
A. まずFASTをご家族全員で共有し、疑わしいときはためらわず救急車を呼べるようにしておきましょう。日常生活では、減塩を意識した食事づくりや服薬の見守り、通院の付き添いが大きな支えになります。