脳梗塞の初期症状について|一宮市の脳神経内科|あたまと内科のうえだクリニック

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脳梗塞の初期症状について

このコラムでは脳神経内科専門医が体調や健康に関する情報をわかりやすくお伝えします。
今回お伝えするのは「脳梗塞の初期症状について」です。

脳梗塞の初期症状と前兆を脳神経内科専門医が解説します。片側の麻痺・しびれ、ろれつが回らないなど突然現れるサインの見分け方、合言葉「FAST」、前触れとなる一過性脳虚血発作の危険性をわかりやすく紹介します。

 

脳梗塞の初期症状・前兆とは?見逃してはいけないサインと合言葉「FAST」を脳神経内科専門医が解説

突然、片方の手足に力が入らない、ろれつが回らない、言葉が出てこない――そんな症状が現れたら、それは脳梗塞のサインかもしれません。


脳梗塞は日本人の主要な死因の一つであり、寝たきりや介護が必要になる大きな原因でもあります。しかし正しい知識があれば、後遺症を最小限にとどめ、発症や再発を防ぐこともできることもある病気です。


今回は、脳梗塞の症状と前兆、そしていざというときにどう行動すべきかをお伝えします。

 

この記事の要約

脳梗塞は、脳の血管が詰まって脳細胞が傷つく病気です。症状は突然、体の片側に現れることが特徴で、治療が早いほど後遺症を軽くすることができる可能性があります。症状がすぐに消えても、それは脳梗塞の重大な前触れかもしれません。

・片側の手足の麻痺・しびれ、ろれつが回らない、顔のゆがみは「FAST」でチェック

・数分から30分程度で症状が消える一過性脳虚血発作は脳梗塞の警告サインです。症状がなくなっても放置せず、すぐ受診してください。

・脳梗塞は時間との勝負です。様子を見ることはせず、すぐに病院受診、119番で救急要請をしてください。

 

脳梗塞とは?

脳梗塞は、脳の血管が詰まり、その先の脳細胞に酸素や栄養が届かなくなって、脳組織が壊死してしまう病気です。脳卒中の中で最も多く、全体の約7割を占めます。

脳の神経細胞は非常にデリケートで、血流が途絶えると数分で働きを失い始め、数時間で元に戻らない状態になります。

脳梗塞の初期症状

症状は詰まった血管の場所によって異なりますが、多くは突然、体の片側に現れます。

■ 片側の手足の麻痺・しびれ

最も典型的な症状です。体の片側だけ力が入らない、感覚が鈍くなる、しびれるといった変化で、「箸が持てない」「片足を引きずる」「コップを落とした」などで気づかれます。

■ろれつが回らない・言葉が出ない

しゃべりにくくなる(構音障害)、言葉が出てこない、相手の話が理解できない(失語症)こともあります。

■ 顔のゆがみ

片側の口角が下がる、笑うと左右非対称になるといった症状です。本人は気づきにくく、周囲の人が先に気づくことが少なくありません。

■ 見え方の異常・めまい・意識の低下

片目が急に見えなくなる、視野の半分が欠ける、物が二重に見えるほか、激しいめまいやふらつきが出ることもあります。


広い範囲の脳梗塞では意識がもうろうとすることもあります。

いずれの症状も、じわじわ進むのではなく「さっきまで普通だった人が、急におかしくなる」のが典型的な経過です。


覚えておきたい合言葉「FAST」

脳梗塞を疑うチェック方法として、世界的に使われているのが「FAST」です。

  • F(Face:顔)…顔の片側がゆがんでいないか
  • A(Arm:腕)…両腕を前に上げると、片方が下がらないか
  • S(Speech:言葉)…ろれつが回らない、言葉が出ないことはないか
  • T(Time:時間)…1つでも当てはまればすぐ119番。


脳梗塞には発症からの時間に制限がある治療法があるため、発症時刻は治療方針を決める重要な情報になります。本人が話せない場合は「最後に普段どおりだった時刻」を伝えてください。


見逃してはいけない前兆|一過性脳虚血発作

一過性脳虚血発作とは、脳の血管が一時的に詰まって脳梗塞と同じ症状が出たあと、血流が戻って症状が消えてしまう状態です。多くは数分から30分以内に治まります。


治ったから大丈夫、と考えがちですが、一過性脳虚血発作は脳梗塞の警告サインです。
一過性脳虚血発作を起こした人の約10〜15%が90日以内に脳梗塞を発症し、その約半数は48時間以内に起こると報告されています。

一方で、早く受診して原因に応じた治療を始めれば、その後の脳梗塞の発症を減らせることもわかっています。


「片側の手足に一時的に力が入らなかった」「ろれつが回らない時間があった」「視野の一部が見えなくなった」といった経験があれば、放置せず、できるだけ早く医療機関を受診してください。

 

おわりに

当院では、脳神経内科専門医が気になる症状やご不安のご相談をお受けしています。「以前、一時的に手足がしびれたことがある」「家族の脳梗塞が心配」という方は、お気軽にご相談ください。
ただし、今まさに症状が出ている場合は119番を優先してください。


よくある質問(Q&A)

Q. 脳梗塞の前兆は、何日前くらいから現れますか?
A.
決まった日数はありません。前兆の代表である一過性脳虚血発作が数日前に現れることもあれば、前兆なく突然発症することもあります。大切なのは日数ではなく、片側の麻痺・言語障害・見え方の異常が一度でも現れたら、すぐに受診することです。

Q. 症状がすぐに治まった場合でも、受診したほうがよいですか?
A. はい、必ず受診してください。数分〜30分以内に消える症状は一過性脳虚血発作の可能性があります。特に48時間以内は脳梗塞に進むリスクが高い時期です。自己判断せず、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。


Q. 手足のしびれは、すべて脳梗塞のサインですか?
A.
いいえ。手足のしびれは首や腰の骨の変形による神経の圧迫、手根管症候群、糖尿病による神経障害などでもよく起こります。しびれの症状が突然に現れ、力が入りにくい・ろれつが回らないなどを伴う場合は脳梗塞を疑い、すぐに119番してください。