このコラムでは脳神経内科専門医が体調や健康に関する情報をわかりやすくお伝えします。
今回お伝えするのは「緊張型頭痛のセルフケアについて」です。
自分でできる緊張型頭痛のセルフケア
緊張型頭痛は、薬に頼る前に「自分でできること」がたくさんある頭痛です。筋肉のこわばり・姿勢・ストレス・睡眠が深く関わるため、そこに働きかけるセルフケアがとても効果的です。この記事では、無理なく続けられるセルフケアをご紹介します。
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この記事の要約 ✓ セルフケアの基本は、筋肉を温めること・ストレッチで、こわばった首や肩の筋肉をゆるめることです。 ✓ 同じ姿勢を続けない・軽い運動・質のよい睡眠が、頭痛の起こりにくい体をつくります。 ✓ 強すぎるマッサージや鎮痛薬の飲みすぎ(月10日以上)は逆効果です。頭痛がよくならないときは早めに受診をしてください。 |
セルフケアは緊張型頭痛対策の基本
緊張型頭痛には、首や肩の筋肉のこわばりや生活習慣、ストレスが大きく関わります。だからこそ、それらに働きかけるセルフケアが効果的です。すべてを完璧にやろうとせず、取り入れやすいものから始めることが長続きのコツです。
① こわばりをゆるめる — 温めとストレッチ
セルフケアの基本は、こわばった筋肉をゆるめることです。
なかでも筋肉を温めるケアは手軽で効果的です。蒸しタオルや市販のホットパックで首や肩を温めると血流が良くなり、緊張がほぐれます。
入浴で体全体を温めることもおすすめです。
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首・肩ストレッチのコツ ・首をゆっくり前後・左右に倒し、肩を大きく回す ・肩甲骨を寄せる・開く動きで、背中もほぐす ・「痛気持ちいい」程度で止め、反動はつけない |
② 姿勢と環境を整える
デスクワークやスマートフォンを見るときの姿勢は、緊張型頭痛の大きな引き金です。画面は目線の高さに近づけ、頭が前に出ないように意識しましょう。
そして何より大切なことが、同じ姿勢を続けないことです。30分〜1時間に一度は立ち上がり、首や肩を動かすだけで、筋肉に緊張がたまりにくくなります。
冷房による首・肩の冷えにも気をつけてください。
③ 体を動かし、よく眠る
ウォーキングや軽い体操などの有酸素運動を習慣にすると、血行が良くなり、ストレス解消にもつながって、頭痛が起こりにくい体づくりに役立ちます。激しい運動である必要はなく、続けられることが何より大切です。あわせて、睡眠を整えることも忘れないでください。毎日できるだけ同じ時間に寝起きし、寝る前のスマートフォンを控えるだけでも、睡眠の質は変わります。
良い睡眠、寝不足の解消は、頭痛予防の土台です。
やりすぎには注意 — 逆効果になるケア
よかれと思ったケアが、逆効果になることもあります。強く揉みすぎるマッサージは、かえって筋肉を傷めて頭痛を悪化させることがあるため、心地よい程度にとどめましょう。
また、痛みを抑えようと市販の鎮痛薬を頻繁に使うのは禁物です。月に10日以上の服用が続くと、「薬の使いすぎによる頭痛(薬物乱用頭痛)」を招くおそれがあります。
改善しないときは、我慢せずご相談を
緊張型頭痛のセルフケアは、どれも特別な道具のいらない生活の工夫です。まずは一つ、続けやすいものから始めてみてください。それでもつらい頭痛が続く、回数が増える、鎮痛薬を飲む日が多いといったときは、脳神経内科にご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
A. 個人差がありますが、温めやストレッチはその場で楽になることもあります。姿勢・運動・睡眠の改善は、数週間続けることで「頭痛の起こりにくさ」として表れてきます。あせらず、習慣にしていきましょう。
Q. 温めるのと冷やすのは、どちらがよいですか?
A. 緊張型頭痛は筋肉のこわばりが原因なので、基本は「温める」ことが有効です。一方、ズキズキ拍動する片頭痛では冷やすほうが楽なこともあります。冷やすことで痛みを感じにくくなります。
目的によって温めた方がよかったり、冷やした方がよかったりするので、どちらがよいか悩むときは、一度ご相談ください。
Q. 運動する時間がありません。何かできることはありますか?
A. まとまった運動でなくても大丈夫です。30分〜1時間に一度立ち上がって首・肩を回す、階段を使うなど、こまめに体を動かすだけでも効果があります。