このコラムでは脳神経内科専門医が体調や健康に関する情報をわかりやすくお伝えします。
今回お伝えするのは「緊張型頭痛の引き金について」です。
緊張型頭痛の引き金は生活の中に|デスクワーク・スマホ首・家事と夕方の頭痛の関係を脳神経内科専門医が解説
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この記事の要約 • 緊張型頭痛の引き金は、デスクワーク・スマホ首・家事など日常動作の積み重ねであることが多いです。 • 筋肉の疲労は一日かけて蓄積するため、夕方〜夜に痛みが強くなりやすいです。 • 睡眠の乱れ、冷え、運動不足、目の疲労も見逃せない引き金になります。 |
緊張型頭痛の引き金は、日常生活に潜んでいる
前回、緊張型頭痛は首や肩の筋肉のこわばりから始まるとお伝えしました。その筋肉のこわばりは、いったいどんな場面で生まれるのでしょうか。
実は、その多くは私たちの日常生活のなかに潜んでいます。
「午前中は元気なのに、夕方になると頭が締め付けられるように痛い」「パソコン作業を続けると頭が重くなる」――そんな心当たりのある方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
デスクワークと頭痛
人間の頭は、およそ4〜6kgもあります。これを支えているのが、首や肩の筋肉です。正しい姿勢であれば骨格でうまく支えられますが、画面をのぞき込むように頭が前に出ると、首にかかる負担は2倍、3倍と跳ね上がります。
例えば、スマートフォンを見るときに頭を30度傾けると、首には約18kgもの負担がかかるという報告があります(Jawad. Fares et. al. Surg Neurol Int. 2017 May 10; 8:72.) 。
さらに、画面を集中して見続けるとまばたきが減り、目の周りの筋肉も緊張します。こめかみの痛みや目の奥の重だるさは、ここから来ていることが多いのです。
家事も頭痛の引き金になる
「家にいるだけなのに、なぜ頭が痛くなるの」と思われるかもしれません。ですが、家事は頭痛を起こしやすい動作がとても多くなってしまいます。
料理中の下向き姿勢、掃除機をかけるときの中腰、洗濯物を干すときに腕を上げ続ける動作、子どもの抱っこや介護――どれも首・肩・背中の筋肉に持続的な負担をかけます。
デスクワークと違って「作業をしている」と意識されにくいぶん、知らないうちに疲労が積み重なり、夕方や夜の頭痛として現れます。
家族の世話で気が休まらない方は、精神的な緊張も加わり、より頭痛が起こりやすくなります。
夕方に頭痛が強くなるのはなぜ?
緊張型頭痛が夕方から夜にかけて強くなりやすいのは、一日の活動で筋肉の緊張や疲労が少しずつ蓄積していくからです。朝はリセットされていた首や肩のこわばりが、長時間の同じ姿勢で徐々に増し、夕方にピークを迎える――これが典型的なパターンです。
逆にいえば、日中にこまめに緊張をリセットできれば、夕方の頭痛は軽くできるということでもあります。
ほかにもある、頭痛の身近な引き金
- 睡眠の乱れ:睡眠不足だけでなく、休日の寝過ぎも引き金になります
- 冷え:冷房の風などによる首・肩の冷えは、筋肉をこわばらせます
- 運動不足:体を動かす機会が減ると血行がわるくなり、筋肉がこりやすくなります
- 目の疲労:長時間の画面作業や、度の合わない眼鏡も負担になります
いかがでしょうか。心当たりが一つや二つはあるのではないでしょうか。引き金を知ることは、対策の第一歩になります。
まとめ
緊張型頭痛は首や肩の筋肉のこりが原因になり、日常生活においてさまざまな行為が頭痛の引き金になっています。生活を見直しても頭痛が続く場合や、痛む頻度が増えている場合は、お気軽に当院へご相談ください。
よくある質問(Q&A)
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Q. 在宅勤務が増えてから、頭痛が増えた気がします。 A. 通勤がなくなって体を動かす機会が減り、家庭の簡易な机や椅子で姿勢が崩れやすくなることが背景にあります。作業環境の見直しと、こまめな休憩が効果的です。
A. 完全にやめる必要はありません。大切なのは使い方です。目線の高さに近づけて持つ、長時間連続で見ない、合間に首を動かす、といった工夫で首への負担を大きく減らせます。
A. 同じ姿勢を続けないことが基本です。作業の合間に一度背伸びをする、20〜30分ごとに肩を回す、といった軽い運動やストレッチをすることで、筋肉の緊張がたまりにくくなります。
A. 朝に強い頭痛は、片頭痛や睡眠の問題、まれに別の原因のこともあります。緊張型頭痛は夕方型が典型ですが例外もありますので、痛むタイミングが気になる場合は受診をおすすめします。 |