脳卒中について

脳卒中には、血管がつまって起こる「脳梗塞」、血管がやぶれて起こる「脳出血」、主に脳動脈瘤(血管のこぶ)がやぶれて起こる「くも膜下出血」があります。
脳卒中を発症してから1ヶ月くらいまでは急性期と呼ばれ、救命や症状の悪化を防ぐ治療が中心となります。急性期の治療とリハビリテーションを終えて退院すると、慢性期と呼ばれ、病気の再発を防ぎながら後遺症と向き合い、日常生活を取り戻していく時期になります。再発予防の治療と生活管理を行うことが、将来の健康を守るうえでとても大切になります。
当院の院長は脳神経内科専門医であり、脳卒中の原因や身体の状態にあわせた最適な治療をご提案することができます。
脳卒中の症状について
脳卒中の主な症状は、力が入らない、しびれる、話しにくい、飲み込みにくい、めまい、ふらつく、などです。意識が悪くなることもあり、特にくも膜下出血の場合は突発的な強い頭痛が特徴的です。
脳卒中の
再発リスクについて
脳卒中は一度発症すると、再び同じ病気を起こすリスクが高まります。脳卒中の再発率は、発症後1年で12.8%、5年で35.3%、10年で51.3%とのデータがあります1)。
脳卒中が再発することにより身体の障害は強くなり、寝たきりや認知症の進行につながる場合も少なくありません。そのため再発させないための予防治療が、慢性期の最も重要な課題になります。
1)Hata J, et al. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2005; 76(3): 368-72.
再発を防ぐための治療

慢性期の脳卒中治療では、再発を防ぐ取り組みを行います。
大切なのは、高血圧や糖尿病、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪の異常)といった生活習慣病の管理です。血圧を適切に保ち、血糖値やコレステロール値、中性脂肪を下げることで、再発のリスクを減らすことができます。
脳出血の再発予防は生活習慣病の管理が重要であり、特に血圧は厳格にコントロールしていくことが必要です。
脳梗塞の再発予防は、生活習慣病の治療に加えて、血液を固まりにくくする抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレル、シロスタゾールなど)を使います。心房細動という不整脈がある場合は、血液のかたまり(血栓)が心臓でできて脳に飛ぶことを防ぐために
抗凝固薬(エドキサバン、アピキサバンなど)を使います。くも膜下出血は急性期に手術を行い、再発予防には生活習慣病の治療と脳動脈瘤の発見が重要です。当院では、一人ひとりの病状や生活背景に合わせて薬を調整し、副作用にも注意を払いながら治療を進めています。加えて、定期的な検査も欠かせません。血液検査で糖尿病や脂質異常症の状態や、CTやMRIなどの画像検査で脳や血管の状態を確認し、頸動脈エコーや心エコーで血流や血管の詰まり具合を調べることで、再発のリスクを早めに察知することができます。
日常生活で気をつけたいこと

脳卒中の再発を防ぐためには、日々の生活習慣がとても大きな役割を果たします。
食事については、高血圧、糖尿病、脂質異常症の治療の土台になるため、脳卒中の予防にとって重要です。
血圧が高い場合は塩分を控えめにすることが必要です。
糖尿病がある場合は摂取カロリーを抑えて、バランスの良い食事をすることが必要です。
脂質異常症がある場合は脂肪分の摂取を抑えることが必要です。
野菜や魚を積極的に摂取することが勧められます。摂取カロリーを抑えた上で栄養にかたよりがないバランスのとれた食事を意識することで、血圧、血糖値や脂質が安定します。食事や栄養は生活習慣病だけでなく、体調そのものに直接影響してくるので非常に重要です。
適度な運動も大切です。無理のない範囲でのウォーキングやストレッチなど有酸素運動を続けると、生活習慣病が改善し、再発予防につながります。
喫煙は動脈硬化の原因となるため、禁煙が強く推奨されます。
肥満は生活習慣病を悪化させるため、体重管理も重要なポイントです。ただ体重を減らすだけではなく、体脂肪を減らして、筋肉は増やしていきたいです。カロリーの高い脂肪分を減らして、タンパク質を摂取することも必要です。
脳卒中の再発予防に向けて
脳卒中の慢性期は、再発を防ぎ、後遺症と向き合いながら生活を整えていく大切な時期です。適切な治療と生活習慣の工夫により、再発のリスクを減らし、安心して日常生活を送ることができます。
当院は、脳卒中を経験された患者さんとご家族の不安を少しでも軽くし、「もう一度同じことを繰り返さない」ためのパートナーとして、地域で信頼される医療を提供してまいります。